糸リフトはほうれい線に効かない!?
2023.07.05
ほうれい線が進行する原因として「頬のたるみ」があります。
ならば、糸でリフトアップすれば良いのでは?と思いますよね。
今回は糸リフトがほうれい線に有効かどうか、お伝えしていきます。
1.糸リフトとは?
その名の通り、お顔の中に糸を入れて引っ張り上げるという施術です。
調べてみるとたくさんの種類や名称があって分かりずらいと思いますが、治療の原理はほとんど同じで、他院との差別化を図るために魅力的なネーミングをつけたり、オリジナル感を出して治療を行っています。
2.糸リフトはどんな部位に有効か?
例えば、①②のような部位。
①→たるみによってお口の横にポニョっとした膨らみができています。
通称、口横のポニョです。
②→フェイスラインのたるみ。
ここにたるみが溜まることで加齢とともにフェイスラインは四角くなっていきます。
こういった部位であれば、糸を入れて引っ張ればある程度の効果が見込めます。
ちょうど、コメカミや耳の前から指でピッと引き上げてみてください。
口横のポニョも、フェイスラインのたるみもピンっとすっきりとしますよね。
3.ほうれい線への効果は?
では、ほうれい線はどうでしょうか。
こめかみあたりから斜めにほうれい線を引っ張ってしまうと
目が吊り上がってカマキリ顔になってしまうだけでなく、
頬が横に引っ張られて顔がべちゃっと潰れたようになってしまいます。
ほうれい線はお顔の中心に位置することもあり、↓写真の矢印の方向=垂直方向にたるんだお肉を引き上げる必要があります。
と、簡単に言いますが。
そうなると、糸を入れる刺入部は目の下あたりの皮膚が非常に薄いところ。
そして糸が残る頬~ほうれい線付近は表情による動きが大きいエリアなので、治療後しばらくは違和感を感じやすいなど、一筋縄ではいかない面もあるのです。
そのため、一般的には糸リフトは斜めに引き上げることが多く、ほうれい線に対してはあまり変化が期待できないということになります。
もしもほうれい線のカウンセリングで糸リフトをおすすめされたら、
斜めに引っ張る方法ではほうれい線は変わらない!もしくはカマキリ顔になってしまう!と思い出しましょう。
4.糸リフトの落とし穴
糸リフトはたるみを引きあげる治療法というのは前述したとおりです。
では、口横のポニョやフェイスラインがすっきりしたとして、その持続性はどうでしょうか。
糸リフトはたるんだ皮膚を切り取れる治療ではありません。
たるんで余っている皮膚が消えるわけではありません。
→これを叶えてくれるのはフェイスリフトという手術のみです。
たるみの位置を少し上方に移動させるだけです。
これが盲点だったり。
「直後は引きあがったんですけ、けっこうすぐ戻っちゃったんですよね。」
はい、それが糸リフトです!
糸が溶ける数カ月の経過でたるみもまた下に落ちて戻ってしまいます。
溶ける過程でコラーゲンが生成されるといいますが、正直それほど大きな効果ではありません。
持続性の面から、糸リフトは意味が無いという考えの先生も多くいます。
どうでしょうかね~~
私は考え方次第?ではないかと思います。
その数カ月でも、直後だけでも、たるみが改善されているのであれば、それはそれですごいことなのかもしれません。
糸リフトにしかできないことなのかもしれません。
短期間だとしても、たるみがなくなった顔を見るのは嬉しいはずです。
そういうものだと思って受ける分には良いと思います。
5.まとめ
ほうれい線は糸リフトではなかなか改善が難しい部位になります。
もちろん意味のない治療ではありません。ターゲットとする部位が異なるということです。
グロースファクター治療の場合、糸のようにリフトアップすることはできません。
ただし、ほうれい線が薄くなることでたるみ感が軽減します。
左:治療前 右:治療6カ月後
頬のたるみが強くでている症例ですが、ほうれい線が改善されたことでお顔がリフトアップしたようにすっきりとして見えます。
もちろん、たるみを引っ張り上げたわけではありません。
このように、たるみを根本的に解決しなくても、ほうれい線が変わることで
たるんだように見せないことは可能です。
ほうれい線にお悩みの方、ぜひ一度ご相談ください。
丸の内美容皮膚科
院長 花岡敦子