「肝斑(かんぱん)」と言われたら

こんにちは。
長野県松本市『丸の内美容皮膚科』院長の花岡です。

よく聞く肝斑(かんぱん)」

「そのシミは肝斑かもしれないです」と言われたら、どんな治療が良いのか?

詳しく書いていきます。

プロフィール
丸の内美容皮膚科
院長 花岡敦子
目次
1. 肝斑とは?

2. まず実践して欲しいこと

3. 治療法について

4. まとめ

肝斑とは・・・

肝斑=基底層のメラノサイトが活性化しており、メラニン色素の産生が亢進した状態。

簡単に言うと、シミやくすみを作るメラノサイトという細胞が制御不能状態で、どんどんシミを作ってしまう状態、ということです。

つまり肝斑の本質は、メラノサイトの機能異常と言われています。

くっきりとした形ではなく、モヤ~~~とくすみがあったり、刷毛でサッと書いたように面状にシミがある、斑状にシミがある場合には「肝斑」の可能性があります。

①肝斑になりやすい素因を持っている

肝斑になりやすい人、なりにくい人、これはもう生まれつきの素因が大きく関係しています。

ここは自身で変えることのできない要因です。

②紫外線暴露や乾燥による皮膚の炎症

紫外線はあらゆるシミの原因となっており、肝斑も例外ではありません。

夏に肝斑が濃くなるというのは紫外線の影響が大きいです。

日常的に日焼け止めを使用するのはもちろん、帽子や日傘、サングラスなどを使うことで十分な紫外線対策をしていきましょう。

また、肝斑部分は角層が薄く、水分量も少ないというデータがあります。

水分量が少なく乾燥していると様々な刺激に弱くなり、炎症を起こして肝斑を増悪させます。

正しい保湿ケアで肌のバリア機能を高めていく必要があります。

③洗顔やメイクの摩擦による皮膚の炎症

クレンジングや洗顔、メイクの際に肌に摩擦をかけ、刺激を与えていませんか?

「スキンケア肝斑」という言葉があるくらい、スキンケア時の刺激は肝斑の大きな原因となっています。

肌は摩擦に非常に弱く、少しの刺激でもくすみが出たり、肝斑の悪化を招いてしまいます。

とにかく肌を優しく触るようにしてください。

自己流マッサージなどは論外。
コットンを使って化粧水をつけるのもすぐにやめてください。

摩擦しない、刺激しないスキンケアが基本となります。

④女性ホルモンの変動

肝斑に女性ホルモンが関係しているというのは前から言われています。

そのため、ピルの内服や妊娠などによって濃くなることがあります。

逆に、女性ホルモンが減少し安定してくる閉経後などは肝斑が自然に落ち着くケースもあります。

閉経後は肝斑も治療しやすくなるというのは事実です。

肝斑の治療は非常に難しいです。

そもそも、「肝斑だけ」というケースは非常に少なく、様々なシミが重なっていることが多いのです。これが治療を複雑にしています。

肝斑の活動性が高い肌に強いレーザーを当ててしまうと、肝斑が悪化してとんでもないことになってしまうことがありますので、安易に強いシミ取りレーザーを選択することができません。

肝斑に強いシミ取りレーザーは禁忌なのです ✕

じゃあどうするのか?

まず、上記②③はご自身で実践できることなので、ここからスタートが良いと思います。

『スキンケア方法を変えること、紫外線防御を徹底する』

そして、

『トラネキサム酸、ビタミンC、ビタミンE の内服をする』

これらの内服はシミを作る細胞=メラノサイトをブロックし、メラニン産生過程をブロックしてくれます。

肝斑と言われてトラネキサム酸は飲んだことがあるけど、何も変わらなかったんです。」
そういうお声も聞きます。

しっかり毎日欠かさず飲んでいましたか?
2ヵ月以上続けましたか?
クリニックで肌画像診断器を撮って経過を見ましたか?

残念ながら、最低2ヵ月は続けないと効果が出てきません。

また、肉眼だけでは肝斑の比較は難しいので、画像診断器で経過を追うことも大切になります。

うまくいけば、スキンケアや紫外線対策、内服だけで肝斑が落ち着いてくる人もいるので、まずはこれらを実践してみるのがおすすめです。

肝斑が落ち着いてきたら、レーザー治療も安全にお受けいただけるようになります。

今回は「肝斑」について書きました。

自分のシミは肝斑なのか?
肝斑と言われたけど、どうしてよいか分からない。

そんな方はぜひカウンセリングにお越しください。

当院では、画像診断をもとにお悩みに最適な治療をご提案させていただきます。


丸の内美容皮膚科
院長 花岡敦子

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