顔の肉が与えるほうれい線への影響
2022.02.27
こんにちは。
長野県松本市 丸の内美容皮膚科院長の花岡です。
ほうれい線=鼻唇溝(びしんこう)とは、鼻と唇(口角)を結んだ線のことを示します。
本来、頬と唇との境界線という意味でつけられた名称なのでしょうが、いつの間にか「ほうれい線=老けている」、「シワ」、という悪いイメージが定着しています。
この境界線が目立ちやすい原因の一つに「顔の肉」、「顔の脂肪」が挙げられます。
今回は、顔の肉が与えるほうれい線への影響について書いていきます。
1. ほうれい線に影響を与える代表的な脂肪
ほうれい線に関係してくるお顔の脂肪群は①②③の3つが代表的なものになります。
①メーラーファット
ほうれい線の上部に位置する脂肪です。
笑った時にモコっと盛り上がり、ちょうどアンパンマンのほっぺたのようになります。
この脂肪が大きいと、当然ほうれい線の影は強く出やすくなります。
②バッカルファット
こめかみからお口にかけて広い範囲に位置する脂肪です。
このボリュームや形状、位置によってお顔の印象が大きく左右されます。
大きな脂肪なので、たるむとお顔全体のたるみの原因になります。
③ジョールファット
お口の横に位置する脂肪です。
口横のもたつきなどの原因になります。
ほうれい線=肉の影と考えるのなら・・・
お顔の脂肪の中でも特にメーラーファットが大きい場合には、若いころからほうれい線が影になって見えてしまうことがあります。
・ほっぺの肉がすごい
・頬肉が厚い
・頬肉が盛り上がる
などなど、この部分を気にする方は少なくありません。
ほうれい線の上の盛り上がりが大きいということは、そのぶんほうれい線が影になりやくなります。
また、一見するとほうれい線には関係の無さそうなバッカルファットやジョールファットも、その形状は人それぞれで、そのボリュームや形状によっては若いうちからほうれい線へ大きな影響を与えることも少なくありません。
また、どの脂肪も年齢とともに垂れ下がってきますので、たるみによるほうれい線の大きな原因となります。
このように、ほうれい線=肉の影と考えれば、お顔の肉付きがほうれい線に与える影響は非常に大きいのです。
2. 脂肪吸引のぶっちゃけ
では、その脂肪を取ってしまえば良いのでは?
確かに、影の原因になっている脂肪を除去してしまえば話が早そうですよね。
最近ではお顔の脂肪吸引も急速に浸透してきているようです。
ただ、気を付けなければいけない点があります。
とり過ぎ注意!
たくさんの脂肪を取られてしまうとお顔がしぼんで老け顔になってしまいます。
パンっとハリのあるお顔というのは若々しい印象を与えるものです。
適切な量を除去することが大切です。
治療を受ける年齢に注意!
脂肪の大きさにフィットするように皮膚が付着しています。
そのため、急激に脂肪が無くなると皮膚がついていかず、雪崩のように皮膚だけたるんでしまうことがあります。
そのため、なるべく20代など若いうちに治療を行うことがおススメです。
年齢を重ねてからでは、脂肪は減ったのに治療前よりもたるんだ印象になってしまうことがあります。
これでは本末転倒ですよね・・・
脂肪吸引は急激に脂肪の量を減らすことができます。
それがメリットでもありますが、急激にデッドスペースができるために、ゆっくりと落とすダイエットよりも皮膚のたるみが出やすくなります。
そのため、適齢期はもちろんのこと、除去する部位・量など慎重に検討する必要があるのです。
それでもやってみたい!という場合には、糸リフトや切開リフトなど、たるみ治療も組み合わせて治療を行うことをおすすめします。
3. グロースファクター治療の効果
では、こういったお顔のお肉がふっくらとしている場合のグロースファクター治療経過はどうなるのか?
モニター事例をまとめてみました。
左:before 右:after(治療6カ月後)
いかがでしょうか?
お肉がふっくらとしているお顔立ちでも、グロースファクター治療後にはほうれい線の影が薄くなり、ハリが出て若々しい印象になっているのが分かります。
もちろん、完全に平坦にすることは難しいですが、とても自然に若返っていますね。
4. グロースファクター治療の限界
先ほどご紹介したように、グロースファクター治療でもほうれい線の影を目立たなくすることは可能です。
では、頬のお肉がしっかりと付いていてたるみが重度の例ではどうでしょうか?
左:before 右:after(治療6カ月後)
いかがでしょうか?
「脂肪が多い」ということはそのぶん「たるみやすい」ともいえるのです。
そのため、たるみが進行していると、さすがのグロースファクター治療でも限界が来てしまうことがあります。
もちろん治療効果が無いわけではありません。
シワのめり込みは浅くなりますが、ある程度の深さは残ってしまうことが多いです。
そういったこともあり、早めのケアをおすすめしております。
5. まとめ
今回は頬の脂肪が多い場合のほうれい線について書きました。
私個人としては、必ずしもほうれい線「ゼロ」を目指す必要は無いと思っています。
ほうれい線が薄くなることで5~10歳若返るような、そんな自然な治療を提供できれば良いなと思っています。
お顔のお肉による影が気になる方、脂肪吸引には抵抗があるという方、ぜひ一度ご相談ください。
丸の内美容皮膚科
院長 花岡敦子