ほうれい線によくある左右差について
2021.01.24
こんにちは。
長野県松本市 丸の内美容皮膚科院長の花岡です。
皆さんはご自身のほうれい線をよ~~~~く観察してみたことがありますか?
よくよく見れば皆さん、ほうれい線の深さ・長さ・形に少なからず左右差があるはずです。
そして、ほうれい線が目立つ側のお顔をよく観察してみと、ゴルゴラインやマリオネットラインも目立つような・・・
この左右差、なぜできるのか?
今回は、この左右差について書いていきたいと思います。
1. なぜ左右差ができるのか
1-1 そもそも生まれつき左右対称ではない
以前の記事でも書いたように、ほうれい線を作る原因として「顔の構造」や「筋肉の動き」がありました。これらは左右まったく同じではなく、この左右差がほうれい線の左右差にも関係しています。
まずは骨格=骨組みから。
頬骨の高さ、鼻の横の窪み、輪郭、歯並び(歯の本数)、顎の形状、頬の横幅などもよ~く見ると左右でまったく同じ、左右対称にできている人はいないと思います。
その程度には個人差があるため、極端な場合を除いてよく見ないと分からないことがほとんどですが、私たちのお顔が左右対称ということはほぼ起こりえないのです。
お顔の一番の土台になる骨格が歪んでいることが、ほうれい線の左右差の大きな原因の一つとなります。
さらに、この歪んだ骨格の上に筋肉や脂肪が乗っていくのですが、この筋肉や脂肪の付き方にも左右差があります。
左右差のうえに左右差を重ねていくため、ほうれい線に左右差があるのはある意味自然なことのようです。
そして、長年の日常生活の中でこうした左右差というのは大きくなっていくことがほとんどです。
なぜなら、無意識のうちに噛み方や笑い方にも癖が生まれ、そこから筋肉の発達にも左右差が生まれます。
そうなると、筋肉の厚みにも左右差がでてきてしまいよりほうれい線の左右差に拍車をかけてしまいます。
こういったことから年齢を重ねるごとに左右差が大きくなることが多いのです。
2. 左右差の種類
では、具体的にどんな左右差があるのか?
当院でほうれい線のグロースファクター治療を行った左右差がある症例の一部をご紹介します。
※あくまで私の判断で大まかに分類したものですので、こちらは厳密なものではございません。
あなたもいずれかのパターンに当てはまるかもしれません。
2-1 片側くっきりタイプ
↑左側のほうれい線がくっきりとしています。
治療から6カ月後、左右ともにほうれい線が薄くなり、左右差も無くなった状態で仕上がりました。
↑こちらも左側が線状にくっきりと定着した左右差のあるほうれい線です。
治療から6カ月後、わずかに左側のお鼻に近い部分は残っていますが、ほぼ左右差が解消されています。
↑お次は右側がくっきりしているタイプです。
治療から6カ月後、右側のお鼻の横はわずかに残っていますが、ほぼ左右差がなくなっています。
↑こちらも右側がくっきりと定着したほうれい線です。
治療から6カ月後、全体的には右側のほうがまだ残りはありますが、治療前の左右差よりは明らかに差が縮んで仕上がっています。
2-2 片側くっきりタイプ
↑右側は上半分のみ、左側はお口元までくっきりと伸び、長さに左右差のあるほうれい線です。
治療から6カ月後、どちらも深さは軽減していますが、よ~く見ると左側がうっすらと長く残っています。
↑左側はお口元まで、右側がお口の下まで伸びているタイプです。
深さも右側のほうが目立っており、長さも深さも左右差のあるほうれい線です。
治療から6カ月後、左側のほうれい線はほぼなくなり、右側はやや残っているものの、治療前と比べると長さ・深さともに改善しています。
↑右側は上半分のみ、左側がお口の下までくっきりと伸びた左右差のあるほうれい線です。
治療から6カ月後、目立っていた左側は劇的に改善し、左右のバランスも良く仕上がっています。
↑こちらも右側は上半分のみ、左側がお口の下まで伸びている左右差のあるほうれい線です。
治療から6カ月後、目立っていた左側はしっかりハリが出ています。
左側がしっかりと改善されたこともあり、右側のほうが少し目立って見えるようですね。
2-3 形違いタイプ
↑ㇵの字の形に左右差のあるほうれい線です。
左側のほうれい線下部に強い折れジワがあり、うっすらと内側にもう一線入っています。
治療から6カ月後、左ほうれい線下部の強い折れジワ、二重線も消えています。
お鼻に近い部分でいうと、右側のほうがやや深さは残っています。
↑こちらもㇵの字に左右差のあるほうれい線です。
左側のほうれい線が途中で切れるように伸びています。
治療から6カ月後、もともと目立っていた右側が多少残っていますが、ほぼ左右差も消え、しっかりとシワが改善しています。
↑左右ともにしっかりと深さがあり、お口元まで伸びているほうれい線です。
よく見ると左側のほうれい線下部が枝分かれしており、2本になっています。
枝分かれがあることで形に左右差ができたほうれい線です。
治療から6カ月後、枝分かれも見えなくなり、左右のバランスも良く仕上がっています。
3. 左右差を無くすことはできるのか
代表的なほうれい線治療で左右差は無くせるのか?
- HIFU(ハイフ)などの照射系治療
- 定番中の定番!ヒアルロン酸治療
- 当院おすすめ!グロースファクター治療
まずはHIFU(ハイフ)などの照射系治療。
以前にもお伝えした通り、そもそも、できてしまったほうれい線に対してはあまり効果が期待できません・・・
よって、もちろん左右差の改善も難しいです。
次に、ほうれい線治療では定番中の定番!
ヒアルロン酸治療です。
こちら、投与量を調節することでバランスをとることができます。
ヒアルロン酸治療というのは、無職透明なゼリー状のものをシワの凹みに埋めていく治療です。
入れたヒアルロン酸そのものがそこに残って形を作るので、とにかくシワが目立つ側に量を多く入れればそれだけ膨らむということです。
ただし、あまり大量に入れることはおすすめできません。
血管塞栓や血管圧迫により失明や皮膚壊死など重大な副作用を起こしかねないからです。
ヒアルロン酸注射は身近な治療になっていますが、少なくともほうれい線部分に関しては、しっかりとした知識を持った医師に適量を入れてもらうことをおすすめします。
重大な副作用も少なくないため、無制限にいくらでも入れられるかというとそうではないということです。
とはいえ、注入量をコントロールすることで左右差は改善しやすいと思います。
そして当院おすすめのグロースファクター治療。
おすすめしているからには左右差もばっちり治ります!
と言いたいところですがそんな魔法のようにはいかないのです(泣)
先ほど紹介した治療経過を見ていただければわかると思います。
投与量を調節することである程度の改善が期待できます。
が、そもそもグロースファクター治療は薬剤そのものがシワに残る治療ではありません。
投与後はご自身のコラーゲンを作る力にある程度ゆだねる部分があるので、狙った通りに左右ピッタリ同じになると断言できるわけではありません。
治療後の仕上がりのパターンとしては、
- もともとの左右差が少し残って仕上がる
- 左右ぴったり同じになる
- 左右差が逆転する
この3つに分かれます。
一番多いのが①です。
やはり深かった側が少し残ってしまうという例ですね。
ただし、左右どちらもシワは改善しますので、治療前の左右差よりも差が大きくなることはありません。
差は縮まったけれども、よく見れば治療前に目立っていた側のほうが少し残っているかな?という程度にとどまることが多いです。
2番目に多いのが②です。
こうなったら一番理想的ですね!
案外、このパターンで綺麗に仕上がる方も多いです。
そしてレアケースが③です。
目立っていた側に多めにグロースファクターを投与後、そちらが想定していたよりもたくさんコラーゲンを作ってくれた場合にこのようなことが起こります。
いずれの場合でも、ご自身で良く見えれば分かるという程度の左右差です。
極端な左右差が治療後に出てしまうことはないのでご安心ください。
4. 左右差の再発
ほうれい線が目立っていた側は、さまざまな要因によってもう片側に比べてシワができやすい状況に置かれています。ですので治療後も、目立っていた側のほうがシワの再発もしやすいと考えられます。
左右差の原因を取り除こうとしてもなかなか難しいのが現実です。
骨格から変えるなんて、なかなかできませんよね。
グロースファクター治療の場合、2回目以降は片側だけの治療、気になる部位だけの治療、細かい部分治療も可能です。
その際の料金設定はリピート価格の半額以下となります。
ぜひ細かなメンテナンスにもご利用ください。
丸の内美容皮膚科
院長 花岡敦子