ピコレーザー
ピコレーザーとは
ピコレーザーとは、「ピコ秒(1兆分の1秒)」というパルス幅(照射時間)でレーザー照射を行うレーザー機器のことを指します。
従来のシミ治療で使用されているレーザーのパルス幅がナノ秒(10億分の1秒)だったのに対し、極めて短い時間で照射することが可能になりました。パルス幅が短いということは、それだけ瞬時にターゲット(シミ=メラニン)に熱が伝わるため、周囲の正常組織へ熱が拡散するのを防ぐことができ、肌へのダメージを最小限に抑えることが可能です。
また、レーザーには「光熱作用」と「光音響効果」という2つの作用があり、この作用によってメラニンなどの色素を破壊して微粒子にします。 従来のナノ秒レーザーは熱作用が大きく、「熱」なのでどうしても周囲に広がりやすく、正常組織へのダメージを避けることは困難でした。 一方、ピコ秒レーザーでは、パルス幅が非常に短くなるため光音響効果が高くなります。光音響効果は、光の衝撃波によってターゲットを瞬時に粉々に粉砕するため、周囲の組織を傷つけることがありません。
「ピコ秒」という非常に短いパルス幅と、それによる「光音響効果」により、周囲組織へのダメージを最小限に、特定のターゲットを効果的に除去できるというのがピコレーザーの最大のメリットです。
ピコ秒レーザーは、従来のナノ秒レーザーに比べて、 薄いシミや色ムラ、そして肌の微細な色ムラに対して特に高い効果を発揮します。 逆に、濃いシミや厚みのあるシミには、ナノ秒レーザーが合っていることもあります。
当院では、次世代型ピコ秒レーザーの「ディスカバリーピコプラス」を導入。 ピコ秒レーザーはもちろん、ナノ秒レーザーも搭載しており、シミの性状に合わせて使い分けられるというのがこの機器の大きな魅力です。
ディスカバリーピコプラスの特徴
① 3種類の波長を搭載
ディスカバリーピコプラスは、532nm、694nm、1064nmの3波長を搭載。
波長の違いにより、レーザーが吸収されるターゲットや、レーザーの深達度(皮膚のどの深さまで入るか)が異なります。
そのため、狙ったターゲットに合わせて最適な波長を選択することができ、幅広い治療が可能となります。
② 3種類のパルス幅での照射
ディスカバリーピコプラスは、ピコ秒のみならず、従来の「ナノ秒」で照射を行うQスイッチレーザー、「マイクロ秒」で照射を行うロングパルスレーザーの機能も兼ね揃えています。
パルス幅が変わるだけで治療の選択肢も大きく広がります。
③ 2種類のフラクショナル
ハンドピースを搭載
ピコレーザー製品の中で唯一(2024年9月現在)、2種類のフラクショナルハンドピースを搭載しています。
- ▪️非蒸散型(ノンアブレイティブタイプ/皮膚を削らない)
- ▪️蒸散型(アブレイティブタイプ/皮膚を削る)
ディスカバリーピコプラスでは、蒸散型のピコフラクショナルハンドピースが搭載されたことにより、皮膚の入れ替わりが非蒸散型よりも格段に促され、CO2フラクショナルレーザーやダーマペン、マイクロニードルRF治療器と同等以上の効果が期待できます。
適応症状とプラン
当院の肌治療では、治療前に必ず肌画像診断システムre-Beau2で肌の状態を診察します。
目視では判断が難しい隠れた「しみ」や「肝斑」、「ポルフィリン(ニキビの原因)」等をUV画像で撮影でき、さらに「しみ」「しわ」「毛穴」などのエリアや濃さを数値化できるため、的確な診断による治療が可能です。
また、時系列で肌の変化を評価することができるため、患者様も治療効果を実感しやすくなり、治療のモチベーションにもつながります。
ピコスポット(シミ取り)
- しみ取り
ピコレーザーを使用し、メラニン組織をピンポイントで破砕し、排出します。
※シミの性状によってQスイッチレーザーを使用することもあります。
くっきりと目立つシミを1個から選んで照射するすることが可能です。
治療時間 | 約10分 |
---|---|
治療後の通院 | 治療1週間後に経過診察にお越しいただきます。 |
腫れ・痛み | 輪ゴムではじかれるような痛みがあります。 |
メイク・洗顔 | 保護テープの上から可能 |
入浴・洗髪・シャワー | 保護テープをした状態で治療当日から可能 |
- 治療後の注意事項
-
- 照射後、次の診察まで保護用のテープを貼ったままにしてください。(7日~10日間)
- かさぶたが取れた後、色素沈着(戻りジミ)をきたす場合があります。
- 紫外線は色素沈着の大きな原因になるので、日焼けには十分注意してください。
- 禁忌事項
-
- 強い日焼けをしている方
- 血液凝固異常のある方
- 光線過敏症の方、光感受性を高める薬剤を内服中の方
- リウマチの既往のある方(金製剤、シオゾール注射)
- 金の糸が入っている方
- 妊娠中、授乳中の方
ピコトーニング
- 全顔
- 両頬
ピコ秒Nd:YAGレーザーを低出力で照射することで、従来治療が難しいとされてきた肝斑や色素沈着、
シミを薄くすることができます。くすみが取れることで美白効果も期待できます。
治療時間 | 約30分 |
---|---|
治療後の通院 | 2~3週間に1回、まずは6回の治療を推奨 |
腫れ・痛み | パチパチとはじかれるような痛みがあります。 |
メイク・洗顔 | 治療当日から可能 |
入浴・洗髪・シャワー | 治療当日から可能 |
- 治療後の注意事項
-
- 直後は照射部位に赤みが出ますが、数時間で落ち着きます。
- 日焼けや摩擦は肝斑の増悪因子ですので十分気を付けてください。
- 白斑や一過性の色素沈着を起こす可能性があります。
- 禁忌事項
-
- 強い日焼けをしている方
- 血液凝固異常のある方
- 光線過敏症の方、光感受性を高める薬剤を内服中の方
- リウマチの既往のある方(金製剤、シオゾール注射)
- 金の糸が入っている方
- 妊娠中、授乳中の方
ピコフラクショナル
- 全顔
- 鼻
- 頬
レーザーで皮膚に微細な穴をフラクショナル状(ドット状)に開けることで、
その刺激によってコラーゲンやエラスチンの生成を促進します。
ニキビ跡、赤み、開いた毛穴などはもちろん、ハリや弾力が向上しスキントーンも整うことで美肌効果も高い治療です。
治療時間 | 約30分 |
---|---|
治療後の通院 | 1カ月に1回、まずは3~5回の治療を推奨 |
腫れ・痛み | 麻酔クリームを使用しますが、多少の痛み・腫れがあります。 |
メイク・洗顔 | 治療翌日から可能 |
入浴・洗髪・シャワー | 顔を濡らさないようにすれば治療当日から可能 |
- 治療後の注意事項
-
- 照射強度にもよりますが、2~5日間ほど赤みが出ます。
- 炎症後色素沈着をきたすことがあります。
- 日焼けは色素沈着の原因になりますので、治療期間は十分気を付けてください。
- 肝斑が悪化することがあります。
- 禁忌事項
-
- 強い日焼けをしている方
- 血液凝固異常のある方
- 光線過敏症の方、光感受性を高める薬剤を内服中の方
- リウマチの既往のある方(金製剤、シオゾール注射)
- 金の糸が入っている方
- 妊娠中、授乳中の方
ジェネシスモード
- 全顔
ロングパルスNd:YAGレーザー(1064nm)を肌に照射し、
効率良く真皮層に熱を加えることでコラーゲン生成を促進し、ハリ、小じわ、毛穴の引き締めに効果的です。
また肌の代謝を上げるため肌質改善やくすみ、にきび、赤みにも効果があります。
痛みやダウンタイムなく、総合的な美肌作りに最適な治療です。
治療時間 | 約30分 |
---|---|
治療後の通院 | 2~3週間に1回、まずは6回の治療を推奨。 |
腫れ・痛み | なし |
メイク・洗顔 | 治療当日から可能 |
入浴・洗髪・シャワー | 治療当日から可能 |
- 治療後の注意事項
-
- 直後は照射部位にほんのり赤みが出ますが、数時間で落ち着きます。
- 日焼けには十分気を付けてください。
- 反応性ににきびが出る場合があります。
- 産毛は除毛効果によって白くなることがあります。
- 禁忌事項
-
- 強い日焼けをしている方
- 光線過敏症の方、光感受性を高める薬剤を内服中の方
- リウマチの既往のある方(金製剤、シオゾール注射)
- 金の糸が入っている方
- 妊娠中、授乳中の方
レーザートーニング
- 全顔
- 両頬
QスイッチNd:YAGレーザーを低出力で照射することで、従来治療が難しいとされてきた肝斑や色素沈着、
シミを薄くすることができます。ピコレーザーに比べ、肌のリジュビネーション効果が高いのが特徴です。
治療時間 | 約30分 |
---|---|
治療後の通院 | 2~3週間に1回、まずは6回の治療を推奨 |
腫れ・痛み | パチパチとはじかれるような痛みがあります。 |
メイク・洗顔 | 治療当日から可能 |
入浴・洗髪・シャワー | 治療当日から可能 |
- 治療後の注意事項
-
- 直後は照射部位に赤みが出ますが、数時間で落ち着きます。
- 日焼けや摩擦は肝斑の増悪因子ですので十分気を付けてください。
- 白斑や一過性の色素沈着を起こす可能性があります。
- 禁忌事項
-
- 強い日焼けをしている方
- 血液凝固異常のある方
- 光線過敏症の方、光感受性を高める薬剤を内服中の方
- リウマチの既往のある方(金製剤、シオゾール注射)
- 金の糸が入っている方
- 妊娠中、授乳中の方
ルビーフラクショナル
- 全顔
- 両頬
ルビーフラクショナルは、694nmの波長をフラクショナル状(ドット状)に照射することで、テープ保護の必要なくシミの治療が行えます。
パラパラと全体的にあるシミ、そばかすが良い適応で、ADMも薄くすることが可能です。
コラーゲンやエラスチンの生成が促進し、肌のリジュビネーション効果も高い治療法です。
治療時間 | 約30分 |
---|---|
治療間隔 | シミやそばかすの場合、1カ月に1回、まずは2~3回の治療を推奨。 ADMの場合には1カ月に1回、5~6回の治療を推奨。 |
腫れ・痛み | 麻酔クリームを使用しますが、多少の痛み・腫れがあります。 |
メイク・洗顔 | 治療翌日から可能 |
入浴・洗髪・シャワー | 顔を濡らさないようにすれば治療当日から可能 |
- 治療後の注意事項
-
- 照射強度にもよりますが、2~5日間ほど赤みが出ます。
- 照射部位に細かなかさぶたができることがありますが、自然にはがれるまで触らないようにしてください。
- 炎症後色素沈着をきたすことがあります。
- 日焼けは色素沈着の原因になりますので、治療期間は十分気を付けてください。
- 肝斑が悪化することがあります。
- 禁忌事項
-
- 強い日焼けをしている方
- 血液凝固異常のある方
- 光線過敏症の方、光感受性を高める薬剤を内服中の方
- リウマチの既往のある方(金製剤、シオゾール注射)
- 金の糸が入っている方
- 妊娠中、授乳中の方